ハイボリュームエアサンプラー用PM<sub>2.5</sub>インパクター (HVI<sub>2.5</sub>) の改良と特性評価

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タイトル別名
  • Design and Evaluation of Modified High-Volume Impactor for PM<sub>2.5</sub> (HVI<sub>2.5</sub>)
  • ハイボリュームエアサンプラー用PM₂.₅インパクター(HVI₂.₅)の改良と特性評価
  • ハイボリュームエアサンプラーヨウ PM ₂.₅ インパクター(HVI ₂.₅)ノ カイリョウ ト トクセイ ヒョウカ

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抄録

<p>ハイボリュームエアサンプラーに装着するPM2.5用のインパクター型分級器High-Volume Impactor for PM2.5 (HVI2.5) を運用する際に、衝突板からの粒子再飛散防止用の粘性液体の垂れ落ちによる後段のエアロゾル捕集フィルターの汚染が問題となることがある。また、粘性液体の揮発による後段のサンプルの汚染を警戒して、粘性液体そのものの使用が避けられることがある。そこで、粘性液体の垂れ落ちを防止するため、衝突板に“返し”を付け、インパクター全体の形状もこれを装着可能な凹の設計にHVI2.5を改良した。改良型HVI2.5の粒子分級特性を粒子発生器を用いて求めたところ、吸引流量520 L min-1での吸引で50%分離空気動力学径2.5 μmを得た。改良型HVI2.5の粒子分級特性の急峻さを評価する指標はJIS Z 8851:2008「大気中のPM2.5測定用サンプラ」に適合し、WINSインパクターおよびSharp-Cut Cycloneと比較しても急峻な分級特性を示した。次に、粘性液体を使用しない粒子再飛散防止法として、含水性ゲル・シートを衝突捕集材として用いる方法を試みたところ、50%分離空気動力学径および透過率曲線はシリコンオイル含浸ガラス繊維濾紙を用いた場合と同等であった。また、HVI2.5使用時のエアロゾル捕集フィルター上での成分濃度の均一性を検討したところ、SO42-の捕集量はフィルターの対角線上で均一であったが、Ca2+はフィルターの外周寄りに偏って多く捕集されており、分析対象物質によってはフィルターを“四つ折り”型に分割してバルク分析に供する必要があることが示された。</p>

収録刊行物

  • 大気環境学会誌

    大気環境学会誌 51 (3), 174-180, 2016

    公益社団法人 大気環境学会

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