Frontal Assessment Battery(FAB)の類似性課題における概念操作障害の重症度評価法の作成と妥当性の検討
書誌事項
- タイトル別名
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- A new scoring system for the Similarity Task of the Frontal Assessment Battery (FAB) to assess the severity of impairment in conceptualization: development and validity study
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説明
<p>【背景】概念操作を評価する代表的な課題としてFrontal Assessment Battery(FAB)の類似性課題がある.先行研究では,この課題で単語対の共通属性を述べることができた患者とできなかった患者の間に概念操作の障害の程度に差がある可能性が示唆された.【目的】FABの類似性課題3項目において共通属性を述べるか否かという点も考慮した拡張採点法を検討する.【対象】MMSE,Alzheimer's Disease Assessment scale(ADAS),FABを施行した認知症患者69症例.【方法】FABの類似性課題の3項目それぞれの反応を,a.正答,b.課題単語対の共通属性を述べる誤反応,c.それ以外の誤反応,に分類した.項目ごとに,各誤反応を呈した群間でMMSE得点およびFABの類似性課題以外の5課題(以下FAB15)の平均得点を分散分析で比較した.その結果に基づいて拡張採点法の配点を決定し,合計得点と他の指標との相関を検討した.【結果】拡張採点法のための重み付けは,正答に3点,課題単語対の共通属性を述べる誤反応に1点,それ以外の誤反応に0点とし,3項目で9点満点の採点法とした.拡張採点法の合計得点とFAB15およびADASの観念行為課題で,0.5を超える有意な相関係数がみられた.拡張採点法の合計得点,教育年数,MMSE得点,ADASの観念行為の成績の4変量で施行した重相関分析では,拡張採点法合計点と観念行為課題の成績との間に有意な偏相関係数が得られた.【結論】類似性課題の誤反応の質を考慮した評価の指標としての拡張採点法の合計点の構成概念妥当性が示された.</p>
収録刊行物
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- 神経心理学
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神経心理学 33 (1), 64-72, 2017
日本神経心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679615018112
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- NII論文ID
- 130006846541
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- ISSN
- 21899401
- 09111085
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可