ステント留置術と透析用バスキュラーアクセス縫縮術によって改善した鎖骨下動脈盗血症候群の1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of subclavian steal syndrome improved with stent placement and flow reduction of vascular access

この論文をさがす

説明

要旨:症例は71 歳,女性,右片麻痺,構音障害を呈し搬送された.左前腕に透析用バスキュラーアクセスが作成されている.起床時の眼前暗黒感を伴うめまい症状を訴え,MRA と血管撮影で脳底動脈無描出,左鎖骨下動脈狭窄症,左椎骨動脈逆流現象および狭窄症を認めたため鎖骨下動脈盗血症候群と診断した.左鎖骨下動脈と椎骨動脈にステント治療を行った.左椎骨動脈の順行性血流は得られなかったが,症状は一時的に改善した.症状の再増悪あり,血管超音波検査で左椎骨動脈逆流現象の再増悪とバスキュラーアクセスの過剰血流を認めたために,流出静脈を縫縮・縫合した(バンディング術).椎骨動脈は順行性に回復し,MRA でも脳底動脈が描出されるようになった.鎖骨下動脈狭窄症とバスキュラーアクセスが同側にある場合は,単に鎖骨下動脈の血行再建を行うのではなく,鎖骨下動脈盗血現象へのバスキュラーアクセスの影響を考慮し,適切な治療法を選択すべきである.

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 36 (1), 47-50, 2014

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (4)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ