言語における「大脳内側面・底面(眼窩面)」の役割

書誌事項

タイトル別名
  • The role of medial and orbital cerebral regions in language functions

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説明

<p>補足運動野は,従来の補足運動野(SMA proper)と,その前方部の前補足運動野(preSMA)に区分され,tractographyを用いた線維連絡,fMRIを用いた機能的役割,脳損傷患者における臨床症状など,様々な視点から検討されている.左preSMA/SMAproperはいずれも,言語機能との関連が示唆されているが,特にpreSMAは前頭前野と豊富な線維連絡を持つことが知られ,言語機能に関しても重要な役割が指摘されている.臨床症状としては,左前頭葉内側面損傷で,補足運動野失語,純粋失書などが出現する.補足運動野失語は,自発話の低下と,「良好な視覚性呼称と顕著な語列挙低下」というコントラストが中核症状である.右前頭葉内側面損傷では,感情プロソディ障害が報告されている.左頭頂葉内側面に関しては,言語理解との関連が示唆されているが,詳細は明らかではない.前頭葉眼窩面は,言語機能自体には関連していないが,口述内容の方向性など,言語の運用に関係していることが示唆されている.</p>

収録刊行物

  • 神経心理学

    神経心理学 33 (4), 229-237, 2017

    日本神経心理学会

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