言語における「大脳内側面・底面(眼窩面)」の役割
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- 大槻 美佳
- 北海道大学大学院保健科学研究院
書誌事項
- タイトル別名
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- The role of medial and orbital cerebral regions in language functions
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説明
<p>補足運動野は,従来の補足運動野(SMA proper)と,その前方部の前補足運動野(preSMA)に区分され,tractographyを用いた線維連絡,fMRIを用いた機能的役割,脳損傷患者における臨床症状など,様々な視点から検討されている.左preSMA/SMAproperはいずれも,言語機能との関連が示唆されているが,特にpreSMAは前頭前野と豊富な線維連絡を持つことが知られ,言語機能に関しても重要な役割が指摘されている.臨床症状としては,左前頭葉内側面損傷で,補足運動野失語,純粋失書などが出現する.補足運動野失語は,自発話の低下と,「良好な視覚性呼称と顕著な語列挙低下」というコントラストが中核症状である.右前頭葉内側面損傷では,感情プロソディ障害が報告されている.左頭頂葉内側面に関しては,言語理解との関連が示唆されているが,詳細は明らかではない.前頭葉眼窩面は,言語機能自体には関連していないが,口述内容の方向性など,言語の運用に関係していることが示唆されている.</p>
収録刊行物
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- 神経心理学
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神経心理学 33 (4), 229-237, 2017
日本神経心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679616975360
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- NII論文ID
- 130006307418
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- ISSN
- 21899401
- 09111085
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可