癌抗原WT1を標的とした免疫療法  ―WT1ペプチド癌ワクチン―

  • 岡 芳弘
    大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー内科学
  • 川瀬 一郎
    大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Cancer antigen WT1-targeting treatment for the malignancies -Development of WT1 peptide vaccine-
  • —Development of WT1 peptide vaccine—
  • —WT1ペプチド癌ワクチン—
公開日
2008
資源種別
journal article
DOI
  • 10.2177/jsci.31.375
公開者
日本臨床免疫学会

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説明

癌遺伝子としての機能を有するWT1遺伝子(Wilm's tumor gene)は多くの造血器腫瘍や固形癌で発現している.その遺伝子産物であるWT1蛋白は抗原性が高く癌免疫療法の標的としてすぐれていることを示す実験データが蓄積されつつある.つまり,癌患者の末梢血では健常人に比較してWT1抗体が高力価で,また,WT1特異的CTL (cytotoxic T lymphocyte)が高頻度で検出される.さらに,造血幹細胞移植時のGraft versus Leukemia反応にもWT1特異的免疫反応が関与している可能性が高い.これらの知見をもとに,WT1特異的CTLを誘導できるWT1ペプチドを癌ワクチンとして投与する臨床試験が開始された.その結果,WT1ペプチドワクチン投与患者において,投与されたWT1ペプチド特異的な細胞性免疫反応の誘導(WT1特異的CTL頻度の増加,ペプチド特異的DTH反応の陽性化など),および,それに基づくと考えられる臨床的反応(白血病細胞の減少,多発性骨髄腫におけるM蛋白の減少,固形腫瘍の縮小など)がみとめられた.今後,ヘルパーペプチドや化学療法との併用などにより,WT1ペプチドワクチンのさらなる効果の増強が期待できる.また,WT1ペプチドワクチンなどの免疫治療はMRD (minimal residual disease)時の再発予防に最適であると考えられる.<br>

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