皮膚免疫における樹状細胞・マクロファージの役割

  • 小野 さち子
    京都大学医学研究科皮膚生命科学講座皮膚科学分野
  • 椛島 健治
    京都大学医学研究科皮膚生命科学講座皮膚科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • The role of dendritic cells and macrophages in the skin immunity

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説明

<p>  皮膚は消化管や肺と並び,生体を外界と隔て,微生物や抗原などの外来異物から生体を守る最大の免疫臓器である.皮膚には3つのバリアが存在する.まず,第一のバリアである表皮角質層と第二のバリアである表皮顆粒層のタイトジャンクションが,液体や多くの外来抗原の侵入を物理的に阻む.これらの物理的バリアを超えて外来抗原が皮膚に侵入すると,皮膚に常在あるいは浸潤するさまざまな免疫細胞が皮膚支持細胞と協調し,第三の免疫学的バリアとして外来抗原に対応した皮膚免疫応答を誘導する.皮膚の樹状細胞とマクロファージは,いずれもこの第三の免疫学的バリアにおいて鍵となる細胞である.近年,細胞特異的な誘導除去マウスの開発や,二光子励起顕微鏡を用いたリアルタイムでの生体内の細胞の時空間的動態・細胞間相互作用の観察が進み,様々な免疫応答の詳細が皮膚においても明らかとされてきている.樹状細胞と組織在住マクロファージによる誘導型皮膚リンパ組織(inducible skin-associated lymphoid tissue: iSALT)の形成を含めたこれらの細胞の皮膚免疫制御における最近の知見について紹介する.</p>

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参考文献 (36)*注記

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