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- 園田 康平
- 九州大学大学院医学研究院 眼科学
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Description
<p> 免疫反応が引き起こす重要な眼疾患にぶどう膜炎がある.ぶどう膜は虹彩・毛様体・脈絡膜の総称である.眼球において中膜をなし,全体として1枚の「被膜」である.眼球内での占有体積は僅かであるが豊富な血流があり,解剖学的特性から眼炎症の起点となりやすい.多くの膠原病・自己免疫疾患・自己炎症疾患で全身血管炎症が生じ,ぶどう膜を介して眼炎症を惹起する.また感染症や癌などが眼に転移するのもぶどう膜である.</p><p> ぶどう膜炎は全身病とつながっている.ぶどう膜炎の多くは再発する可能性のある慢性病であり,姑息的に眼炎症をコントロールするだけでなく,長期的観点から患者のquality of visionを考える必要がある.診療においては,眼科のみならず全身科との協力が不可欠である.感染症以外の内因性ぶどう膜炎は内科治療が基本であり,今後生物製剤など新しい治療の適応拡大が期待される.代表的な原因疾患にはサルコイドーシス,Vogt–小柳–原田病,ベーチェット病などがあり,我が国のぶどう膜炎原因疾患の上位を占める.セミナーではぶどう膜炎に対する現在の治療を概説し,今後益々求められる診療科横断的なマネージメントについて考えてみたい.</p>
Journal
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- Japanese Journal of Clinical Immunology
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Japanese Journal of Clinical Immunology 39 (4), 335-335, 2016
The Japan Society for Clinical Immunology
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679628289024
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- NII Article ID
- 130005407756
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed