P1-08 ループスモデルにおけるMAIT細胞に関する解析

この論文をさがす

抄録

<p>  【目的】Mucosal-Associated Invariant T細胞(MAIT細胞)は腸管に多く存在する自然リンパ球として知られていたが,近年ヒトの末梢血T細胞の5%を占めることが明らかとなり免疫応答に重要な生理的役割を担うことが示唆されている.全身性エリテマトーデス(SLE)患者において疾患活動性とMAIT細胞の活性化状態が相関することをこれまで我々は報告してきた.本研究は,動物モデルを用いてMAIT細胞がループス病態に与える影響を解明することを目的とする.【方法】ループスモデルマウス(FcγRIIB−/−Yaaマウス)とMAIT細胞を欠損するMR1欠損(MR1KO)マウスを交配し,MAIT細胞を欠損するMR1欠損ループスモデルマウス(MR1KO −/−FcγRIIB−/−Yaa)作成し,MAIT細胞のループス病態への影響を検討した.腎炎(尿中微量アルブミン定量,糸球体腎炎病理スコア),皮膚炎(皮膚炎病理スコア),自己抗体価(ELISA法で抗DNA抗体価測定)について比較した.【結果】FcγRIIB−/−Yaaマウスに対してFcγRIIB−/−Yaa MR1KOマウスでは腎炎や自己抗体産生が軽減される傾向を示した一方,皮膚において高度の炎症を認めた.皮膚の病理組織でもFcγRIIB−/−Yaa MR1KOマウスで炎症所見が見られ,皮膚炎スコアで有意な差を認めた.【考察】MAIT細胞がループス皮膚炎の抑制に働くことが示唆された.MAIT細胞がどのような機序でループス皮膚炎を抑えているのか,さらなる検証が必要である.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ