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- 山本 一彦
- 東京大学医学部 アレルギーリウマチ内科
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抄録
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬であるトファシチニブは,新たな関節リウマチ治療薬として我が国では2013年に承認されている.従来の生物学的製剤とは異なり,経口投与可能な低分子化合物であり,特定のサイトカインの働きを抑制するのではなく,JAK経路に関係する複数のサイトカインのシグナル伝達を同時に阻害するマルチターゲット効果を有することが特徴である.臨床試験の結果では,MTXやTNF阻害薬を含む抗リウマチ治療薬で効果不十分な患者に対し,早期から臨床効果の発現が認められている.<br> 一方,安全性に関しては従来の生物学的製剤と同様に感染症や悪性腫瘍の発現が報告されている.特に我が国では帯状疱疹の報告が多いことも含めて,今後日本人における安全性データを構築していく必要があることから,現在本邦では市販後全例調査が実施されている.さらに日本リウマチ学会からは「全例市販後調査のためのトファシチニブ使用ガイドライン」が策定され,トファシチニブの使用においては適正使用の推進がなされている.市販後の有効性・安全性評価が待たれるところであるが,本講演ではトファシチニブの作用機序,臨床試験のデータや最新情報含め適正使用情報を中心に紹介する.
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 37 (4), 323-323, 2014
日本臨床免疫学会