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- 桑名 正隆
- 慶應義塾大学医学部 リウマチ内科
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抄録
強皮症ではレイノー現象,指尖潰瘍,肺動脈性肺高血圧症,腎クリーゼなど多彩な循環障害をきたし,時に致死的な経過をとる.病理組織学的には多臓器に細動脈~細静脈レベルでの線維性内膜肥厚による内腔狭窄,毛細血管の減少・消失を認める.従来は血管内皮傷害に着目した研究が盛んに行われ,虚血-再還流,抗血管内皮抗体,凝固線溶系アンバランスなどが主な機序と想定されてきた.一方,最近の研究から,傷害血管の修復機転が正常に機能しないことが,強皮症に特徴的な血管病変形成に深く関わっていることが明らかにされた.例えば,病変部局所でエンドスタチン,VEGF165b,MMP12など血管新生阻害因子の高発現が報告されている.我々はこれまで脈管形成や血管修復に必須な骨髄由来の血管内皮前駆細胞(EPC)の強皮症病態における役割を検討し,CD34+CD133+CD309+未分化EPCは強皮症で著明に減少し,成熟血管内皮への分化能も障害されていることを見出した.一方,CD14+CD133−の単球系EPCは強皮症でむしろ増加し,血管新生より線維化を促進することを明らかにした.したがって,EPCの数,機能の是正が強皮症の血管病変に対する新たな治療戦略となる.実際,強皮症患者を対象としたオープン試験により,アトルバスタチンが骨髄から未分化EPCを動員することでレイノー症状を軽減し,手指潰瘍を予防する効果を確認した.EPCを標的とした強皮症治療の将来展望について紹介したい.<br>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 35 (4), 303a-303a, 2012
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679629671296
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- NII論文ID
- 130003363997
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可