P2-14 LupusモデルマウスBXSBを用いた好中球NETosisの新たな定量と定性解析

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抄録

<p>【背景】好中球NETosisの亢進はSLE患者の抗核抗体産生の一因であると考えられている.NETosisの定量は生細胞膜非透過性DNA親和性物質Sytoxの蛍光強度を測定する方法が一般的だが,この方法はNETosis特異性が低い.我々は,NETosisにより細胞外に放出された核成分がシトルリン修飾を受けることに注目し抗cit-H3抗体を用いて,NETosisを定量する方法を試みた.【方法】マウスの骨髄より好中球を分離し,in vitroでPMA添加によりNETosisを誘導した.これをDAPIとSytox/抗cit-H3抗体で蛍光染色し細胞の形態を観察した.さらに,全好中球中の抗cit-H3抗体陽性細胞の割合を正常マウス(C57BL/6),lupusマウス(BXSB)間で比較した.【結果】C57BL/6好中球では,PMA刺激により抗cit-H3抗体陽性となった細胞は形態上もNETosisであった.Sytoxによる染色では形態上NETosisとは思われない細胞が高輝度で染色されてしまい,NETosisに対する特異性においては抗cit-H3抗体染色が優ると考えられた.そこで血清抗核抗体陽性のBXSBと同週齢のC57BL/6の好中球の抗cit-H3抗体陽性細胞の割合を比較したところ,高濃度PMA刺激時にBXSBでNETosisの割合が高くなった.【考察】一般にSLE患者の好中球は健常者よりもNETosisを起こしやすいと考えられているが,本法の結果もそれを支持するものとなった.しかし,NETosisとcitrullinationは応答経路が異なるという報告もあり,さらなる検討が必要である.</p>

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