P2-40 IgG4関連唾液腺炎に対して無治療経過観察中に発症したびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の1例

  • 藪下 知宏
    神戸市立医療センター中央市民病院 血液内科
  • 吉岡 聡
    神戸市立医療センター中央市民病院 血液内科
  • 加藤 まどか
    神戸市立医療センター中央市民病院 血液内科
  • 田中 淳
    神戸市立医療センター中央市民病院 血液内科
  • 平本 展大
    先端医療センター病院
  • 米谷 昇
    神戸市立医療センター中央市民病院 血液内科
  • 山下 大祐
    神戸市立医療センター中央市民病院 臨床病理科
  • 今井 幸弘
    神戸市立医療センター中央市民病院 臨床病理科
  • 石川 隆之
    神戸市立医療センター中央市民病院 血液内科

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抄録

<p>【諸言】一部の悪性リンパ腫の発症には,感染・慢性炎症が関与している.自己免疫疾患の中では,橋本病やシェーグレン症候群が特に高率にリンパ腫に進展することが知られている.IgG4関連疾患と悪性リンパ腫の関連に関してはこれまで報告が少ない.今回,IgG4関連唾液腺炎に対して無治療経過観察中に,眼窩原発のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫を合併した1例を報告する.【症例】43歳女性.20XX年10月に両側顎下腺腫大を自覚し,当院耳鼻科にて顎下腺生検を施行した.硝子化を伴う線維化を認め,線維化の間には多数のIgG4陽性形質細胞・リンパ球・好酸球の浸潤を認めた.組織中IgG4/IgG陽性細胞比が93.5%(> 40%),血清IgG4 812 mg/dLと著明高値であることより,IgG4関連疾患(IgG4関連唾液腺炎)と診断した.診断時点で無症状であり,経過観察の方針とした.20XX+5年2月に左上眼瞼の腫瘤を自覚した.増大傾向となり,生検を施行したところ,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の組織診断を得た.現在,R-CHOP療法を導入し,治療経過良好である.【考察】これまで,IgG4関連疾患診断後早期に悪性リンパ腫の診断に至った少数例の報告がある.しかしながら,現時点ではIgG4関連疾患に悪性リンパ腫の発症が多いという明確な結論は得られておらず,今後多数例での症例蓄積が必要であると考えられる.</p>

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