異同判断課題における弱視者の視覚情報処理特性

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タイトル別名
  • Visual Information Processing of Same-Different Judgements in Persons with Partial Sight
  • イドウ ハンダン カダイ ニ オケル ジャクシシャ ノ シカク ジョウホウ シ

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抄録

異同判断課題における弱視者の視覚情報処理過程を検討した。被検者は弱視者5名と晴眼者5名である。刺激は1桁から4桁の数字対で構成されており、スクリーン上の左右に同時提示された。被検者は数字対が同じである(S-反応)か異なる(D-反応)かを判断したあと、反応ボタンを押した。反応時間と数字対の数の関数関係を最小自乗法によって求めたところ、S-反応の反応時間の勾配は弱視者が356ms、晴眼者が159msであり、D-反応の反応時間の勾配は弱視者が259ms、晴眼者が100msであった。刺激ごとにD-反応の反応時間からS-反応の反応時間を減算した値は、弱視群と晴眼群の間に有意差は認められなかった。さらに、晴眼者の視距離80cmを弱視者と同じ30cmに設定して実験を行った結果、S-反応とD-反応の反応時間は有意に長くなることがわかった。以上の結果から異同判断における弱視者の反応時間に影響する要因として視力や視野の機能を指摘できる。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 27 (3), 79-87, 1989

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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