技能手からみた中度及び重度精神薄弱児の大脳半球の機能的非対称性

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タイトル別名
  • Functional Asymmetry of the Brain in Relation to Manual Skill : Children with Moderate and Severe Mental Retardation
  • ギノウ シュ カラ ミタ チュウド オヨビ ジュウド セイシン ハクジャクジ

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説明

本実験では、自閉症児とダウン症児を除く精神薄弱児60名を対象にしてペグボード課題と指で一定のポーズをつくらせるポーズ課題を実施し、精神薄弱児の大脳半球の機能的非対称性の特徴を探り、あわせて非右利きの頻出を脳損傷で説明する脳損傷説に検討を加えることを試みた。被験者は、IQ30未満の重度群とIQ30以上60以下の中度群に分類した。次のような結果が得られた。1)非右利きの者の出現率は中度群より重度群で高い傾向にあった。2)ペグボード課題及びポーズ課題で測定される技能において中度群は重度群より優れていた。3)中度群の右手偏好児にはペグボード課題で右手優位、ポーズ課題で左手優位という者が多かった。4)偏好手のタイプによって両課題の成績に差異が生じるということはなかった。これらの結果より、中度精神薄弱児においては健常児と同様な大脳半球の機能的非対称性が成立しており、脳損傷説は支持できないことが示唆された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 27 (4), 1-9, 1990

    一般社団法人 日本特殊教育学会

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