P2-43 NKTリガンドおよび抗原mRNAを導入した人工アジュバントベクター細胞による生体内樹状細胞の成熟を介した抗原特異的抗体産生の誘導

  • 山崎 哲
    理研統合生命医科学研究センター 免疫細胞治療研究チーム
  • 清水 佳奈子
    理研統合生命医科学研究センター 免疫細胞治療研究チーム
  • 藤井 眞一郎
    理研統合生命医科学研究センター 免疫細胞治療研究チーム

抄録

<p>  樹状細胞(DC)は自然免疫と獲得免疫を結ぶ役割を担う免疫担当細胞であり,我々はこれまでに生体内DCを標的とした新しいワクチン,人工アジュバントベクター細胞(artificial adjuvant vector cell, aAVC)の開発を行ってきた.aAVCはNKT細胞のリガンドであるαガラクシルセラミド(α-GalCer)と任意の抗原のmRNAを導入した,アジュバント効果を有する細胞である.aAVCは生体内でNKT細胞およびNK細胞により殺傷され,aAVCの細胞断片はDCに取り込まれる.さらに活性化したNKT細胞によるDCの成熟が起こり,獲得免疫が誘導される.これまでに我々のチームでは,aAVCがマウスにおいて抗原特異的な細胞障害性CD8+T細胞および記憶免疫を誘導することを明らかにした.今回我々は,CD4+T細胞を介する免疫反応に着目し,aAVC免疫マウスにおいて特異的抗体が効率よく誘導できることを見出した.さらに,aAVC免疫により胚中心の形成および抗原特異的B細胞が誘導されることを明らかにした.これらのaAVC依存的な抗体産生は生体内DCの成熟を介したCD4+T細胞依存的に起こることが示唆された.これらの結果から,生体内DCを標的としたaAVCによる免疫応答が感染症においても有用であることが期待される.</p>

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