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Abstract
<p> 【背景・目的】川崎病(KD)は小児期特有の原因不明の中小動脈血管炎である.炎症の主体は自然免疫応答であることが知られているが,獲得免疫応答との関連は不明な点が多い.我々は,獲得免疫応答の未熟性伴う自然免疫制御不全がKD発症に関与している可能性を考え,末梢血単核細胞(PBMC)subsetの網羅的解析を行い,KDにおける免疫制御機構の解明を目的とした.【対象・方法】2015年4月から2016年4月でKD50例(定型例)を対象とした.診断時と治療後の末梢血を採取しNIHが提唱するヒト免疫細胞subset標準化プロトコールを参考に,FACS解析を行った.対照として熱性疾患患者25例,健常児25例を用いた.【結果】KD群では熱性疾患群と比較しT細胞のmemory,effector分画ともに活性化細胞の割合が低値であった.B細胞では,memory優位患者群とnaive優位患者群に明確に二分されKDの中に二つのphenotypeが存在することがわかった.いずれの場合もKDではplasma細胞が少なかった.【考察】KDには獲得免疫の関与が乏しいといわれているが,IVIG療法が著効することなどから,獲得免疫応答の発動は炎症抑制的に働く可能性がある.本解析結果はKD罹患児の免疫記憶の未熟性を示唆している可能性があり,今後はTfh細胞と抗体産生性などにも焦点を当てさらに解析を進める所存である.</p>
Journal
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- Japanese Journal of Clinical Immunology
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Japanese Journal of Clinical Immunology 39 (4), 396a-396a, 2016
The Japan Society for Clinical Immunology
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679630511488
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- NII Article ID
- 130005407802
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed