自閉症児と多動児における多動行動とその関連症状の発達的な比較

書誌事項

タイトル別名
  • A COMPARATIVE AND DEVELOPMENTAL STUDY OF HYPERACTIVITY AND ITS RELATED SYMPTOMS IN AUTISTIC AND HYPERACTIVE CHILDREN
  • 自閉症児と多動児における多動行動とその関連症状の発達的・比較
  • ジヘイショウジ ト タドウジ ニ オケル タドウ コウドウ ト ソノ カンレン

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抄録

本研究では、生育史の資料にもとづいて、自閉症児と多動児における多動行動とその関連症状の形成過程を比較検討した。対象児は14名の自閉症児(CA 6.7才、range 4.9-11.4才)と同数の多動児(CA 5.7才、range 2.1-8.1才)である。その結果、歩行開始までの行動に関しては両群間に特に大きなちがいはなく、刺激に対する過敏傾向や社会的な微笑の貧困、喃語の欠如などが見られた。そして、歩行開始後、多動児群では最初に多動行動が出現し、次いでかんしゃく行動や固執行動が出現してくる。これに対して、自閉症児群では最初にかんしゃく行動が出現し、次いで多動行動や固執行動が出現してくることが見い出された。また、歩行開始後60ヵ月間の両群の発達を比較すると、多動児群では、言語行動や対人行動が年齢とともに徐々に発達してくるが、自閉症児群では、歩行開始から24ヵ月の間に急速にこうした行動が退行もしくは消失してくることが見い出された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 19 (1), 37-47, 1981

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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