WS4-2 慢性掻痒皮膚炎における感覚神経イメージング

  • 高橋 苑子
    横浜市立大学大学院生命医科学研究科 生命医科学専攻 理化学研究所 統合生命医科学研究センター
  • 石田 梓
    横浜市立大学大学院生命医科学研究科 生命医科学専攻 理化学研究所 統合生命医科学研究センター
  • 川崎 洋
    理化学研究所 統合生命医科学研究センター 慶應義塾大学医学部 皮膚科学教室
  • 久保 亮治
    理化学研究所 統合生命医科学研究センター 慶應義塾大学医学部 皮膚科学教室
  • 天谷 雅行
    理化学研究所 統合生命医科学研究センター 慶應義塾大学医学部 皮膚科学教室
  • 岡田 峰陽
    横浜市立大学大学院生命医科学研究科 生命医科学専攻 理化学研究所 統合生命医科学研究センター

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<p>  アトピー性皮膚炎において,慢性的な痒みは症状の悪化に大きく関与している.近年,角質やタイトジャンクションなどの皮膚バリアの機能不全が,痒みの発生に関与していると考えられている.しかしながら,痒みを担う皮膚神経の活性化がどこでどのように起こっているかは明らかにされていない.本研究では,新たに確立した三次元ホールマウント免疫染色法を用いて,正常マウス及びアトピー性皮膚炎モデルマウスの,表皮タイトジャンクションと神経の構造の解析を行った.その結果,正常皮膚では表皮神経はタイトジャンクションの内側にしか存在しないのに対して,アトピー性皮膚炎モデルにおいては,タイトジャンクションの形成異常が起こり,表皮神経がより外界に暴露されていることが示唆された.また,二光子レーザー顕微鏡を用いた皮膚感覚神経のCa2+イメージングを行った.その結果,皮膚炎が発症する直前から,異常なタイトジャンクションの近傍において感覚神経が活性化していることが示唆された.これらのことから,アトピー性皮膚炎の発症においては,表皮タイトジャンクションの異常により,表皮神経が外界からの刺激に長期間暴露されることによって,掻痒が引き起こされる可能性が考えられた.</p>

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