P1-16 リツキシマブ(RTX)による薬剤性血小板減少症を合併した多発血管炎性肉芽腫症(GPA)の2例

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<p>【緒言】2013年より本邦でGPAおよびMPAに対しRTXが承認され,寛解導入療法および維持療法での使用例が増えている.RAVE試験およびRITUXVAS試験ではRTX群における血小板減少症がそれぞれ3%と報告されているが,RTXの有害事象としての血小板減少症は未だ十分に認知されているとはいえない.【症例1】61才男性.肥厚性硬膜炎を呈したGPA再燃に対しステロイドパルス+RTXによる再寛解導入療法を施行したところ,血小板(Plt)7,000/μlまで低下し,RTX中止のみで3週間後に基準範囲内まで改善した.【症例2】52才男性.膵腫瘤,急速進行性糸球体腎炎,肺胞出血より発症した初発のGPAに対しステロイドパルス+RTXによる寛解導入療法を施行したところ,Plt 14,000/μlまで低下し,RTX中止のみで血小板数は回復した.【考察】いずれの症例とも他の原因を除外したためRTXによる血小板減少症と診断した.RTXによる血小板減少の発現メカニズムとして抗原抗体反応を介した脾臓での血小板破壊亢進が推定されている.【結語】RTXによる薬剤性血小板減少症を呈したGPAの2例を当科で経験した.RTXによる有害事象としての血小板減少症は以後のGPAに対する治療変更を余儀無くされることから注意を要する.</p>

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