弱視学生に対する健常学生の交流抵抗感に及ぼす障害開示の効果について

書誌事項

タイトル別名
  • College Students' Reluctance to Interact With Peers Who Are Partially Sighted : Effects of Disability Disclosure
  • ジャクシ ガクセイ ニ タイスル ケンジョウ ガクセイ ノ コウリュウ テイコウカン ニ オヨボス ショウガイ カイジ ノ コウカ ニ ツイテ

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抄録

本研究では、弱視学生に対する健常学生の交流抵抗感に及ぼす障害開示の効果を、共同行動の程度が異なる障害開示条件(ポジティブ条件・ミックスド条件・ネガティブ条件)とコントロール条件によって比較検討した。参加者は282名の健常学生であり、4開示条件のうちひとつの開示文を提示した後、河内(2004)の交流抵抗感尺度(交友関係尺度、自己主張尺度)への回答を求めた。開示条件と性別の要因に基づく二元配置分散分析の結果、共同場面では、各障害開示条件がコントロール条件よりも弱視学生との交流に対する健常学生の抵抗感を低減できることや、共同作業の可能性を示すポジティブ条件が他の障害開示条件よりも効果的であることが明らかとなった。しかし、主張場面では、障害開示の効果は見いだせなかった。一方、開示者と被開示者が同性の場合、共同場面では女子同士のほうが男子同士よりも交流抵抗感は低いこと、主張場面では男子同士のほうが女子同士よりも交流抵抗感が低いことも明らかとなった。本研究において、障害開示は弱視学生と健常学生の対人関係に効果を示すことが明らかとなった。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 48 (4), 263-273, 2010

    一般社団法人 日本特殊教育学会

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