ミオテクターによる白色異物の析出経験

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【要旨】ミオテクターを心筋保護回路に充填し,1時間後に約1mmの不定形な結晶状の白色異物が析出したので検討を行った。製造時に混入した異物ではなく,心筋保護回路内でミオテクターと何らかの物質が反応したものと推測された。心筋保護回路には,滑沢剤としてステアリン酸カルシウムが使用されており,ミオテクターと混合すると不定形な結晶状の異物を析出したと考えられた。更に,ミオテクターの各成分との反応により析出した結晶を,フーリエ変換赤外分光光度計による赤外吸収スペクトルで比較検討した。その結果,ステアリン酸カルシウムと塩化マグネシウムにより析出した結晶の赤外吸収スペクトルが,心筋保護回路内に析出した白色異物と酷似しており,この2つの成分が反応したと推測された。対策として,心筋保護液の注入に際し注入の直前で心筋保護フィルターを挿入し,異物を除去する必要があると考えられた。また,回路内を洗浄することで白色異物の析出を回避できると考えられた。

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