巨大血栓化脳動脈瘤に対し超低体温循環停止にてクリッピング術を施行した1例

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説明

くも膜下出血にて発症した巨大血栓化脳動脈瘤に対して,非開胸式体外循環による超低体温循環停止下クリッピング術を施行した。症例は,48歳女性,身長156cm,体重55kg。体外循環は,通常の開心術で使用している静脈リザーバーのバイパスラインを組み込んだ回路を用いて右大腿動静脈より送脱血を行い,バイパスラインを使用した閉鎖回路にて開始し,灌流量2.4L/min/m2,灌流圧40~80mmHgで行った。冷却を開始し,心室細動が起きた時点で心筋保護の目的によりKCL+マグネゾールを静注後,心停止とした。食道温20℃で循環停止し,クリッピングを施行した。循環停止および復温時には電解質補正のため血液濾過を行った。術後の経過は良好で,術後1時間半で覚醒し,64日目に独歩退院した。今回のような複数科の医師による合同手術を行う場合,各スタッフが手術手順を理解しておくことで手術当日は円滑に行うことが可能であった。

収録刊行物

  • 体外循環技術

    体外循環技術 33 (2), 159-162, 2006

    一般社団法人 日本体外循環技術医学会

参考文献 (6)*注記

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