LD児における漢字の読みの学習過程とその促進に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Learning to Read Kanji : Facilitating Effect of Prior Pairing of the Pronunciation of Kanji With Visual Stimuli for Children With Learning Disabilities (LD)
  • LDジ ニ オケル カンジ ノ ヨミ ノ ガクシュウ カテイ ト ソノ ソクシン ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本研究は漢字書字に困難を示すLD児に関して、漢字と読みの対連合学習における、読みと視覚刺激の先行対呈示に伴う学習の促進効果について検討することを目的とした。学習の促進効果量は、対連合学習の総学習量が健常児群の平均-1SDの値よりも低いLD児(A群7名)のほうが、平均-1SDより高いLD児(B群13名)よりも有意に大きかった。A群がひらがな文の読み困難を示す割合は、B群よりも高い傾向があり、LD児の漢字の読み学習の特徴がひらがな文の読み困難と関連することが示唆される。情報処理特性との関連については、判別分析より数唱の評価点を説明変数として用いたときに85.0%の正判別率が得られ、A群とB群を区別する指標として有効であることが指摘できた。以上より、聴覚記憶に困難を示すLD児においては、読みと視覚刺激の先行対呈示による支援手続きが、漢字の読みの学習に有効であることが指摘できた。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 47 (2), 81-90, 2009

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (2)*注記

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