集団式注意機能検査におけるADHDおよびPDDの障害特徴の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Patterns of Performance on a Group-Administered Attention Test Battery by Children and Youth With Attention-Deficit Hyperactivity Disorders or Pervasive Developmental Disorders
  • シュウダンシキ チュウイ キノウ ケンサ ニ オケル ADHD オヨビ PDD ノ ショウガイ トクチョウ ノ ケントウ

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説明

ADHDと診断を受けた子ども48名およびPDDと診断を受けた子ども13名の認知的特徴について、今田・小松・高橋(2003)により開発された集団式注意機能検査と日本版WISC-IIIを用い検討した。ADHD群では、WISC-IIIの比較において、標準得点や、PDD群と比較しても、数唱において顕著に低い成績をおさめ、注意機能検査では標準得点、対照群、PDD群とのいずれの比較においても持続的注意の反映と考えられる音数えにおいて特徴的な低下がみられた。PDD群では、WISC-IIIの比較において、標準得点との間に有意な差が認められず、ADHD群との比較においては、語彙に関する知識や即時的な暗記再生、空間の走査に関しての強さが確認できたものの、標準得点との関連から考えてPDD群における固有に強い能力とは言い切れなかった。また、注意機能は比較的保たれていることがわかった。これらの比較から、ADHD群とPDD群の鑑別で決め手となるのは聴覚的な短期記憶と持続的注意機能が保たれているかどうかに注目することであると示唆された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 47 (2), 91-101, 2009

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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