Child Behavior Checklist-Youth Self Reportによる、少年院在院者の行動と情緒の問題の検討 : 一般高校生との比較を通して

書誌事項

タイトル別名
  • Behavioral and Emotional Disturbances of Inmates of a Juvenile Correctional Facility : Comparison With Non-Incarcerated High School Students
  • Child Behavior Checklist Youth Self Report ニ ヨル ショウネンイン ザイインシャ ノ コウドウ ト ジョウチョ ノ モンダイ ノ ケントウ イッパン コウコウセイ トノ ヒカク オ トオシテ

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抄録

本研究の目的は、少年院群の行動と情緒の特性を明らかにすることである。対象群は少年院在院者の30名。平均年齢は16.8±2.2(M±SD)歳である。コントロール群は一般的な高校の普通科に在籍する1、2年生28名であり、両群ともすべて男性である。両群にChild Behavior Checklist-Youth Self Report(CBCL-YSR)が実施された。対象群の内向尺度のT得点は62.6±9.10(M±SD)点であったのに対し、対照群のT得点は52.7±7.26(M±SD)点であり、顕著な差が確認された(p=.0000)。不安抑うつ傾向等の内在的問題においても、対象群のほうが深刻であることが示された。同様に、外向尺度や総得点の平均値でも対象群のほうが深刻であった(p=.0000)。また、対象群の内向・外向・総得点の平均値はすべて臨床域であった。すなわち、少年院在院者の多くは、多面的かつ深刻な問題性を有していたと考えられ、臨床域の精神症状を呈していた可能性があった。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 46 (4), 215-222, 2008

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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