膜型人工肺の圧力損失特性からみた遠心ポンプ使用時の人工肺選択基準の検討

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  • Study of artificial lung selective criterion in centrifugal pump use from the viewpoint of pressure dropping characteristics of membrane type oxygenators.

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説明

遠心力と流体の粘性によって血液を駆出する遠心ポンプは血球破壊が少なく,しかも空気栓塞を起こしにくいなどの利点もつ一方,流量は回転数が一定でも中心静脈圧・末梢血管抵抗・血液の粘性などの影響を受けやすい。そこで膜型人工肺の圧力損失の違いが遠心ポンプの駆出量にどの様な影響を与えるかを検討した。遠心ポンプを組み込んだ閉鎖回路内に8種類の人工肺をそれぞれ装着,生理食塩水を充填後,1,000rpm・2,000rpm・3,000rpm・4,000rpm時の駆出量と圧力損失測定を行った。また,同じ回路内に牛血を充填し,3,000rpmで連続6時間再循環させ,1時間毎の容血量の測定を行った。その結果,生理食塩水の実験では回転数は一定でも圧力損失の少ない人工肺で高流量が得られた。牛血を充填した実験でも,圧力損失の少ない人工肺で高流量が得られ,血液損傷も少なかった。人工肺の圧力損失特性を遠心ポンプ使用時の膜型人工肺選択基準の一つとすれば,遠心ポンプ回転数は最小限で,最大の循環効果が期待でき,しかも長期体外循環であれば遠心ポンプの寿命をも延ばすと考えられた。

収録刊行物

  • 体外循環技術

    体外循環技術 24 (1), 49-52, 1997

    一般社団法人 日本体外循環技術医学会

参考文献 (8)*注記

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