2-(5-ブロモ-2-ピリジルアゾ)-5-ジエチルアミノフェノールナノ粒子を担持したナノ薄膜試験紙の評価と浸漬によるカドミウム(II)の検出特性

  • 高橋 由紀子
    長岡技術科学大学産学融合トップランナー養成センター
  • 相馬 聡
    長岡技術科学大学産学融合トップランナー養成センター
  • 和久井 喜人
    産業技術総合研究所コンパクト化学システム研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Preparation of 2-(5-Bromo-2-pyridylazo)-5-diethylaminophenol Nanoparticle-coated Test Strip and Its Application to Detection of Trace Cadmium(II) by Immersion Test
  • 2-(5-ブロモ-2-ピリジルアゾ)-5-ジエチルアミノフェノールナノ リュウシ オ タンジシタ ナノ ハクマク シケンシ ノ ヒョウカ ト シンシ ニ ヨル カドミウム(Ⅱ)ノ ケンシュツ トクセイ

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抄録

2-(5-Bromo-2-pyridylazo)-5-diethylaminophenol(5-Br-PADAP)をナノ粒子化し,メンブランフィルターで表面ろ過することで,5-Br-PADAPナノ粒子からなる試薬薄膜をフィルター表面に保持させた膜(5-Br-PADAPナノ薄膜試験紙)を作製した.最適な粒子成長条件は,超純水中で室温下3分であり,この時のメンブランフィルターへの5-Br-PADAPの捕集率は99.92%,作製した5-Br-PADAPナノ粒子薄膜は平滑かつ剥がれず,試薬はすべて最表面から約1 μm以内に存在した.これを6分割して,CdIIを含む20 mLの検液に浸漬した(immersion test).検液の撹拌によって約3倍反応速度が向上し,294 Kで100 ppbでは約30分で反応が完了した.CdIIの抽出率を誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)から求めたところ,700 ppbの検液にて0.77% となった.検量線を色彩計のΔE*(a*,b*)から作成し,検出限界7.14 ppb,定量範囲は~700 ppbであった.反応時間と抽出率を改善するために,1滴(50 μL)を滴下するdrop testを試みた.CdII 1 ppm,反応時間15分で抽出率は30.2% と改善したが,検液量が1/400に減少したため,検出限界は約1 ppmとなった.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 61 (3), 229-234, 2012

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (18)*注記

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