分離分析試薬としてのカリックスアレーン

  • 大渡 啓介
    佐賀大学大学院工学系研究科循環物質化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Calixarene Derivatives for Separation Analysis
  • ブンリ ブンセキ シヤク ト シテ ノ カリックスアレーン

この論文をさがす

抄録

大環状配位子であるカリックスアレーン誘導体を基体とする溶媒抽出試薬を開発した.得られたデータを元に分離分析試薬への応用として,カリックスアレーン誘導体を含有する4種類のイオン交換樹脂,ならびに銀イオン選択性電極を開発した.カルボン酸誘導体を含むイオン交換樹脂については金属の吸着挙動をバッチ法とカラム法により検討した.カリックス[4]アレーン誘導体を含有する樹脂は鉛に対して高い選択性を示し,メチレン架橋したカリックス[4]アレーン樹脂は高い鉛充填容量を示した.また,鉛と亜鉛のクロマト分離で両者が効率的に分離された.カリックス[4]アレーンケトン誘導体や2-ピリジル誘導体を素子として作成した電極は銀イオンに対して高い選択性を示した.溶媒抽出試薬として優れた分離性能を示した化合物はイオン交換樹脂やイオン選択性電極に組み込んで利用した場合にも優れた分離性能を保つことが明らかとなった.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 61 (3), 157-167, 2012

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (7)*注記

もっと見る

参考文献 (53)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ