外洋海水中ペルフルオロ化合物微量分析のための固相抽出法の開発

  • 山崎 絵理子
    国立研究開発法人産業技術総合研究所環境管理研究部門 金沢大学大学院自然科学研究科環境科学専攻
  • 谷保 佐知
    国立研究開発法人産業技術総合研究所環境管理研究部門
  • 島村 紘大
    国立研究開発法人産業技術総合研究所環境管理研究部門
  • 佐々木 俊哉
    日本ウォーターズ株式会社化学製品ビジネスディベロップメント
  • 山下 信義
    国立研究開発法人産業技術総合研究所環境管理研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Solid-phase Extraction Method for the Trace Analysis of Perfluoroalkyl Substances in Open-ocean Water
  • ガイヨウ カイスイチュウ ペルフルオロ カゴウブツ ビリョウ ブンセキ ノ タメ ノ コソウ チュウシュツホウ ノ カイハツ

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抄録

ペルフルオロオクタン酸をはじめとするペルフルオロアルキル化合物(PFASs)の一般環境水中モニタリングは近年活発に行われているが,一方で外洋海水分析報告は現在でもまれである.外洋海水分析データが乏しい原因の一つとして,市販の固相抽出(SPE)カートリッジの性能が海水分析に最適化されていないことが考えられるため,本論文では現在流通しているSPEの問題点を検証した.特に一般的なC18系固相と陰イオン交換能を有する固相を検討し,後者について充填量と粒子径を500 mg,30 μmとすることで,外洋海水中PFASs微量分析に最適化した固相抽出カートリッジである「WAXsea」を開発した.マトリクス効果の低減に有効な脱塩操作技術も含め,ここで明らかになった精度管理条件を用いることで,1 pg L-1前後で外洋海水中に存在するPFASsの高精度分析が一般分析機関でも可能となり,ストックホルム条約外洋汚染モニタリング計画等に貢献が期待される.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 64 (10), 759-768, 2015

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (3)*注記

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