蛍光X線分析用カドミウム含有粒状コメ標準物質の調製

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タイトル別名
  • Preparation of Reference Materials for Determination of Cadmium in Rice Grain by X-ray Fluorescence Spectrometry
  • ケイコウ Xセン ブンセキヨウ カドミウム ガンユウ リュウジョウ コメ ヒョウジュン ブッシツ ノ チョウセイ

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抄録

蛍光X線分析用のCd含有粒状コメ標準物質の調製法を開発した.Cd水溶液とメタノールの混合溶液にコメを入れたものをホットプレート上で加熱して溶媒を除去し,Cd含有コメ標準物質を作製した.作製したCd含有コメ標準物質のX線回折図形からはデンプンのピークのみが観測され,メタノール中で加熱したコメは糊化(非晶質化)していないことが分かった.Cd含有コメ標準物質に50 kV-80 mAの一次X線を6000秒間照射したところ,Cd Kα線の強度の変動はX線計測時の理論的な標準偏差の3倍に収まっており,耐X線性は十分であった.また,短期間(28日間)の安定性試験では,Cd Kα線の強度の相対標準偏差(1.6%)はX線計測時の統計変動(1.7%)と同等であり,保存性も十分であった.更に,5回の詰め替え測定では,Cd Kα線の強度の相対標準偏差は5% 以下で良好であった.本法で作製したCd含有コメ標準物質を用いてCdの検量線を作成したところ,0.50~9.8 mg kg-1の範囲で良好な直線性(r=0.996)を示し,検出下限は0.13 mg kg-1であった.この標準物質のCd含有量は酸分解/原子吸光分析法で測定して値付けを行った.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 62 (10), 925-930, 2013

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (28)*注記

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