空気中化学物質測定用拡散サンプラーの安定性評価及び実試料測定への応用

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タイトル別名
  • Storage Stability of Diffusive Samplers and Application to Real Air Samples
  • クウキ チュウ カガク ブッシツ ソクテイヨウ カクサン サンプラー ノ アンテイセイ ヒョウカ オヨビ ミノル シリョウ ソクテイ エ ノ オウヨウ

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抄録

4種類のガス状化学物質測定用拡散サンプラー(カルボニル化合物測定用DSD-DNPH,オゾン測定用DSD-OZONE,酸性ガス測定用DSD-TEA,塩基性ガス測定用DSD-NH3)の捕集後における安定性を検討した.また,検討した安定性に基づき,60戸の住宅でガス状化学物質の実態調査を行った.DSD-TEA(二酸化窒素)を除く拡散サンプラーは,室温保存の場合,4週間における捕集量の増減は約7.2% 以内であった.DSD-TEAを用いた二酸化窒素の室温保存における安定性は,他の拡散サンプラーより変動が大きく,4週間後の減少率は9.0% を示した.この原因として,室温保存中にNO2がNO3に酸化されたことが推測される.したがって,捕集後のDSD-TEAは,2週間以内に分析しない時は,冷蔵,冷凍保存する必要がある.住宅の屋内外でガス状化学物質の実態調査を行ったところ,二酸化窒素を除くほとんどの化学物質は,夏季の方が冬季に比べ濃度が高い傾向を示した.冬季における二酸化窒素の屋内の平均濃度は,夏季の約15倍と高濃度を示し,主な発生源は燃焼系ストーブであることが示唆された.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 62 (7), 603-609, 2013

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (15)*注記

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