筋肉と筋原線維で異なるミオシンとアクチン凍結変性

書誌事項

タイトル別名
  • Different Freeze Denaturation of Myosin and Actin in Myofibrils and in Muscle
  • キンニク ト キン ゲン センイ デ コトナル ミオシン ト アクチン トウケツ ヘンセイ

この論文をさがす

抄録

<tt>ヒラメ魚肉およびそこから調製した筋原線維</tt>(Mf)(0.1 M NaCl, pH 7.5)<tt>を</tt>-20°C <tt>で凍結貯蔵した時のミオシン,アクチン変性を比較した.</tt>Mf <tt>では</tt>Ca2+-ATPase <tt>の失活とミオシン単量体の減少は</tt>8 <tt>日程度の期間で同様に進行したが,ミオシン溶解性の低下はほとんど起こらなった.キモトリプシン</tt>(Ch)<tt>消化で生成する</tt>Rod <tt>量はほとんど低下せず,尾部の変性は少ないと判断した.凍結</tt>Mf <tt>の</tt>Ch <tt>消化でアクチンが消失したので,アクチンの著しい変性が示された.このアクチン変性速度は</tt>Ca2+-ATPase <tt>失活と同じであった.一方,ヒラメ筋肉を凍結した場合,全ての変性速度は著しく小さくなり,</tt>60 <tt>日貯蔵でも </tt>75 <tt>%の</tt>Ca2+-ATPase <tt>活性を維持していた.また,</tt>Ch <tt>消化パターンの解析からアクチン変性はほとんど認められなかった.以上のことより,</tt>Mf <tt>中のアクチンは魚肉中とは異なり,凍結に対して耐性が低く,容易に変性するので,結果としてミオシンを安定化できず早い変性を引きおこすと結論した.以上の結果から,凍結変性研究において</tt>Mf <tt>は筋肉のモデルとしては不適であることが示され</tt><tt>た. </tt>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ