胎児診断された先天性心疾患における右側大動脈弓の頻度と 胎児心スクリーニングにおける有用性

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  • The Incidence of Right Aortic Arch Associated with Prenatally Diagnosed Heart Defects and Its Usefulness in Fetal Echocardiographic Screening

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背景:先天性心疾患(CHD)の胎児診断率は低率であり,単心室疾患が多くを占めている.二心室疾患のスクリーニングには流出路の観察が必要不可欠であるが,普及していない.<br> 目的:胎児診断されたCHDにおける右側大動脈弓(RAA)の頻度を明らかにし,新しい胎児心スクリーニングポイントにできるかどうかを検討する.<br> 対称と方法:1993~2010年までに胎児心精査が行われ,動画が保存されていたCHD 759例を含む3,557例を対象とした.<br> 結果:12.9%にRAAが合併し,RAAの81.0%にCHDが合併していた.Fallot四徴症(TOF)38.2%,両大血管右室起始(DORV)18.9%,完全大血管転移症24.1%と円錐動脈幹奇形に高率に合併していた.また,13トリソミーが0%,18トリソミーでは5.8%,21トリソミーでは5.4%と低率,22q11.2欠失症候群では75%と高率であった.<br> 結論:RAAは円錐動脈幹奇形および22q11.2欠失症候群に高率に合併していた.RAAは新しい胎児心スクリーニング法として役立つ可能性が示唆された.

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