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- 桃井 伸緒
- 福島県立医科大学医学部小児科
書誌事項
- タイトル別名
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- Barth Syndrome
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説明
<p>バース症候群はX連鎖性の疾患であり,心筋症,好中球減少,ミオパチー,成長障害,3-メチルグルタコンサン尿症を特徴とする.本疾患はXq28に存在するTAZ遺伝子の変異によって発症し,カルジオリピンの欠損とミトコンドリア機能異常をきたす.心筋疾患は,Barth症候群において最も多く認められる症状であり,拡張型心筋症と左室心筋緻密化障害が見られ,頻度は少ないが心内膜線維弾性症や肥大型心筋症が見られる.好中球減少やミオパチーなどの症状がなく,TAZ遺伝子異常が認められるX連鎖性の乳児心筋症が報告されており,これらはBarth症候群とallelicであると考えられている.本症候群による死亡の大半は心不全によるものであり,その多くは生後6か月以内に生じる.一方,治療に対する反応は良好であり,3歳以降は心機能が正常化する症例が多く見られる.不整脈が年長児で見られることがあるが,心機能が改善した5歳以降の予後は良好であることから,本症候群の表現型の多様性を理解し,早期診断と早期治療が重要である.</p>
収録刊行物
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- Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
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Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 32 (5), 409-416, 2016
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679650468992
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- NII論文ID
- 130005420620
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- ISSN
- 21872988
- 09111794
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可