血液透析患者のレストレスレッグス症候群に対するプラミペキソールの臨床効果についての検討

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タイトル別名
  • Examination of clinical effectiveness of Pramipexole for restless legs syndrome in hemodialysis patients
  • ケツエキ トウセキ カンジャ ノ レストレスレッグス ショウコウグン ニ タイスル プラミペキソール ノ リンショウ コウカ ニ ツイテ ノ ケントウ

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説明

一般人口におけるレストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)の有病率は,欧米で5~10%,日本で2~5%と報告されているのに対し,透析患者におけるRLSの出現頻度は4.8~32.2%と,明らかに高い有病率の報告がなされている.だが,本邦で透析患者を対象とした疫学調査は少数しか報告されていない.本邦では,プラミペキソール塩酸塩水和物(以下,プラミペキソール)が2010年1月特発性RLS治療薬として初めて認可された.そこで,われわれは血液透析患者103名(男性56名,女性47名)を対象に,RLS診断基準を用いて有病率を調査した.また,プラミペキソール投与の有効性についても検討した.有効性の判定には,国際レストレスレッグス症候群評価尺度(IRLS)とVisual Analogue Scale(VAS)を用いた.103名の透析患者のうち,RLSの4つの診断基準をすべて満たしたのは18名であった(有病率は17.5%).この18名のうち,プラミペキソール服用に同意された患者は9名で,内服前後のIRLSスコアの平均値は投与前25±6.9点,1週間後18.3±9.1点,1か月後14.7±7.7点で,1か月後のIRLSスコア平均値は投与前と比較して有意に低下した.内服前後でのVASスコアの推移は,投与前68.8±12.2mm,1週間後36±19.7mm,1か月後28.3±24.5mmと1週間目から有意差をもって低下した.プラミペキソール服用により,IRLSスコア,VASスコアの改善が経時的に認められた.以上より,血液透析患者におけるRLSの有病率は高率であった.プラミペキソール投与により,RLSの症状改善が認められたことから,プラミペキソールは血液透析患者におけるRLS治療に有用であることが示唆された.

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