冠動脈バイパス術,僧帽弁人工弁置換術後の低心機能透析患者に両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器を装着し良好なADLを維持している1症例

書誌事項

タイトル別名
  • An implantable defibrillator with dual-chamber pacing for a dialysis patient with diminished cardiac function following coronary artery bypass grafting and mitral valve replacement and maintenance of an acceptable level of activities of daily living
  • 症例報告 冠動脈バイパス術,僧帽弁人工弁置換術後の低心機能透析患者に両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器を装着し良好なADLを維持している1症例
  • ショウレイ ホウコク カンドウミャク バイパスジュツ ソウボウベン ジンコウベン チカン ジュツゴ ノ テイ シンキノウ トウセキ カンジャ ニ リョウシツ ペーシング キノウ ツキ ウエコミガタ ジョサイドウキ オ ソウチャクシ リョウコウナ ADL オ イジシテイル 1 ショウレイ

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抄録

症例は72歳,男性.2006年1月,慢性腎不全により血液透析導入(原疾患不明).冠動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting:CABG),僧帽弁置換術(mitral valve replacement:MVR)後であり,低心機能のため,血液濾過透析を施行したが,透析中に著明な血圧低下を認め,透析困難であった.同年8月にAFB(acetatefree biofiltration)透析に変更したが,透析中に心室性期外収縮(premature ventricular contraction:PVC)が散発し,血圧低下を認め,依然として透析困難な状態が続いた.頻拍の薬物治療に際し,ペースメーカーのバックアップが必要なことに加えて,低心機能であること,QRS幅の拡大(QRS 141ms),心室頻拍(ventricular tachycardia:VT)を伴っていることから両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器(cardiac resynchronization therapy defibrillator:CRT-D)の植え込みの適応であると判断した.2006年9月15日CRT-D植え込み術を施行し,両室ペーシングを行うことにより循環動態の改善を認め,心エコー上,左室拡張期径(left ventricular diastolic diameter:LVDd),左室心筋重量(left ventricular mass:LVM),心機能(% fractional shortening : %FS)の改善を認めた.透析中の血圧低下,離床困難は減少し,VTの出現もなくなり,安定した透析を行うことが可能となった.

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参考文献 (38)*注記

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