血液透析導入となった成人ファロー四徴症の1例

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タイトル別名
  • A case study of initiating hemodialysis in a patient with tetralogy of Fallot (TOF)
  • 症例報告 血液透析導入となった成人ファロー四徴症の1例
  • ショウレイ ホウコク ケツエキ トウセキ ドウニュウ ト ナッタ セイジン ファロー シチョウショウ ノ 1レイ

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抄録

44歳,男性.生後3か月より啼泣時にチアノーゼが出現し,生後7か月時に当院にてファロー四徴症と診断された.17歳時にascending aorticopulmonary shunt手術を施行.以後,外来にて経過観察されていた.41歳時,腎機能低下を指摘され,チアノーゼ性腎症の疑いと診断された.2007年(43歳時)感冒を契機に全身倦怠感,尿量低下,下肢けいれんが出現し,尿素窒素10.1 mg/dL,クレアチニン3.38 mg/dLと慢性腎不全が増悪し,カリウム8.0 mEq/Lと高カリウム血症のため,緊急入院となった.血液透析を3回施行後,利尿が得られ,退院となった.しかし,その4か月後,感冒を契機に再び尿量減少,下腿,眼瞼浮腫が出現.胸部X線上両側胸水貯留がみられ,低酸素血症を認め,緊急入院となった.血液透析を再導入したが,導入後も,利尿は得られず,維持透析となった.全身状態の改善が認められたため,退院し,外来維持透析となった.本症例は根治術を施行されず成人まで至ったファロー四徴症であり,チアノーゼ性腎症を合併した可能性があり,慢性腎不全から血液透析を導入した稀な症例である.

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参考文献 (20)*注記

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