副甲状腺ホルモン相対的低値透析症例において塩酸セベラマーを利用したカルシウム負荷軽減が骨代謝マーカーに与える影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of reducing calcium load using sevelamer hydrochloride on bone metabolic markers in hemodialysis patients with low parathyroid hormone levels
  • フクコウジョウセン ホルモン ソウタイテキ テイチ トウセキ ショウレイ ニ オイテ エンサン セベラマー オ リヨウ シタ カルシウム フカ ケイゲン ガ コツ タイシャ マーカー ニ アタエル エイキョウ

この論文をさがす

抄録

【目的】副甲状腺ホルモン(PTH)相対的低値の慢性維持血液透析患者において塩酸セベラマーによるカルシウム(Ca)負荷軽減が骨代謝回転に与える影響を検討した.【方法】炭酸Ca服用中でインタクトPTH(iPTH)150 pg/mL未満の血液透析患者46例を対象に炭酸Caを段階的にセベラマーに切り替えて24週間観察した.ビタミンD使用例(15例)ではそのまま投与を継続し非投与群と比較した.【結果】Caは低下し,iPTH,whole PTH,骨型アルカリフォスファターゼ(BAP),骨型特異的酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(TRAP5b)はいずれも有意に上昇した.また同時にPも上昇し,これはセベラマーの投与量不足が原因と考えられた.介入前にiPTHとBAPおよびTRAP5bとの間にみられた正の相関は介入12週後失われたが,介入前iPTH 60 pg/mL未満の症例に限ると相関は24週後まで保たれていた.ビタミンD非投与群では投与群に比し骨代謝マーカーの過剰な上昇が多い傾向が認められた.【結論】炭酸Ca減量とセベラマーによるCa負荷軽減はPTHを上昇させる.これはiPTH 60 pg/mL未満の絶対的低値症例では骨代謝改善につながる可能性があるが,iPTH 60 pg/mL以上150 pg/mL未満の相対的低値症例では骨代謝マーカーとの解離がみられた.ビタミンDはPTH上昇による過剰な骨代謝回転の亢進を抑制する可能性がある.

収録刊行物

参考文献 (20)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ