交感神経の活動亢進が疑われた維持血液透析患者の繰り返す急性心不全の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of acute heart failure recurrence in a hemodialysis patient suspected of hyperactivity of the sympathetic nervous system
  • 症例報告 交感神経の活動亢進が疑われた維持血液透析患者の繰り返す急性心不全の1例
  • ショウレイ ホウコク コウカン シンケイ ノ カツドウ コウシン ガ ウタガワレタ イジ ケツエキ トウセキ カンジャ ノ クリカエス キュウセイ シンフゼン ノ 1レイ

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抄録

50歳女性, 血液透析 (HD) 歴6年. 急性心不全で入院しdry weightの減量と降圧薬の調整を行い退院した. 退院4日後に突然の呼吸苦が出現し, 血圧263/99mmHg, 脈拍109bpm, SpO2 (室内気) 41%であった. 胸部単純写真は肺水腫像であったが, 心エコーでは明らかな体液過剰はなく拡張障害を認めた. 動静脈の収縮による体液の末梢から心肺へのシフト (vascular failure) が主病態と考え, 酸素化とニトログリセリンの投与を行い改善した. 入院後も心不全を繰り返し同様の治療を要したが, β遮断薬とα1遮断薬の追加後は再発を認めなかった. Vascular failureによる急性心不全ではHD患者においても血管拡張薬による初期治療が有用であり, またHD患者で報告の多い交感神経の活動亢進が誘因の一つとされる. 交感神経活動に留意し治療することはHD患者の急性心不全の予後改善につながると考えた.

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参考文献 (9)*注記

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