長期型バスキュラーカテーテルの適応に関する検討

  • 小川 智也
    埼玉医科大学総合医療センター人工腎臓部・腎高血圧内科
  • 原田 悦子
    埼玉医科大学総合医療センター看護部
  • 金山 由紀
    埼玉医科大学総合医療センターMEサービス部
  • 星 綾子
    埼玉医科大学総合医療センター人工腎臓部・腎高血圧内科
  • 田山 陽資
    埼玉医科大学総合医療センター人工腎臓部・腎高血圧内科
  • 朝倉 受康
    埼玉医科大学総合医療センター人工腎臓部・腎高血圧内科
  • 前田 忠昭
    埼玉医科大学総合医療センター人工腎臓部・腎高血圧内科
  • 松田 昭彦
    埼玉医科大学総合医療センター人工腎臓部・腎高血圧内科
  • 松村 治
    埼玉医科大学総合医療センター人工腎臓部・腎高血圧内科
  • 御手洗 哲也
    埼玉医科大学総合医療センター人工腎臓部・腎高血圧内科

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of indications for long-term vascular catheter
  • チョウキガタ バスキュラーカテーテル ノ テキオウ ニ カンスル ケントウ

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抄録

長期型バスキュラーカテーテル(VC)の恒久的なバスキュラーアクセス(VA)に規定しない使用方法を検討した.対象症例は,全身状態不良な腎不全患者47例(男26例,女21例)で,急性腎不全(ARF)21症例,慢性腎不全(CRF)26症例(導入例16例,慢性透析患者10例)であった.平均年齢は66±14歳,平均血清アルブミン値(Alb)は2.37±0.54 g/dL,CRPは5.14±5.36 mg/dLであった.長期型VCの使用本数は48本で,留置部位は右内頸静脈44例,左内頸静脈3例,左鎖骨下静脈1例で,平均留置期間は49.5±56日であった.長期型VCの転帰は,内シャント(AVF)作製による抜去16例,死亡16例(悪性腫瘍関連死9例,敗血症7例),感染徴候による抜去5例,透析離脱4例,閉塞・脱血不良2例,継続2例などであった.AVF造設,死亡,透析離脱を除いた長期型VCの開存率は,挿入後30日で約80%,90日でも約60%あった.全身状態不良なARFおよびCRF症例に長期型VCを使用することで,平均7週間の安定した血液透析療法が施行できた.長期型VCは恒久的なVAとしての適応以外に,早期のAVF作製困難なCRF症例におけるbridging VAおよび短期間での透析離脱が難しいARF症例などのVAとしても有用と考えられた.

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被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (26)*注記

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