湧水を用いた不適切な出口部ケアにてMycobacterium fortuitum出口部感染を発症した腹膜透析患者の1例

  • 宮里 賢和
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 安達 政隆
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 藤江 康行
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 中嶋 淑心
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 山崎 朋子
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 渡辺 麻耶
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 坂梨 綾
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 田崎 春奈
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 水本 輝彦
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 尾上 友朗
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 内村 幸平
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 白石 直樹
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 冨田 公夫
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野
  • 北村 健一郎
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Severe Mycobacterium fortuitum infection due to inappropriate exit-site care using mountain spring water in a patient on continuous ambulatory peritoneal dialysis (CAPD)
  • 症例報告 湧水を用いた不適切な出口部ケアにてMycobacterium fortuitum出口部感染を発症した腹膜透析患者の1例
  • ショウレイ ホウコク ワキミズ オ モチイタ フテキセツ ナ デグチブ ケア ニテ Mycobacterium fortuitum デグチブ カンセン オ ハッショウ シタ フクマク トウセキ カンジャ ノ 1レイ

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抄録

今回,われわれは湧水を用いた不適切な出口部ケアにてMycobacterium fortuitumM. fortuitum)出口部感染を発症した腹膜透析患者の1例(54歳,女性)を経験した.当院では出口部を生理食塩水や消毒薬もしくはオープンシャワーにて洗浄するように指導しているが,本患者は独自の判断で出口部ケアの際に知人に勧められた湧水を出口部に噴霧していた.後日,湧水の抗酸菌塗抹染色が陽性と判明し感染源と考えられた.6週間に及ぶニューキノロンとマクロライド系抗菌薬の内服治療を行ったが完治せず,腹膜透析カテーテル抜去術を施行した.カテーテル抜去によって出口部感染は完治したが,本患者は腹膜透析を離脱し血液透析へ移行することとなった.これまでM. fortuitum出口部感染において感染源が明確に同定された報告はない.M. fortuitum出口部感染はまれではあるが,保存的治療に反応しない場合はカテーテル抜去術が必要となるため,感染を未然に防ぐことが重要である.出口部感染成立には感染源の存在と出口部における皮膚感染防御機構の脆弱化が関与しており,適切な出口部ケアと定期的なケアの再評価および再指導を行うことがM. fortuitum出口部感染を未然に防ぐ上で重要であると考えられた.

収録刊行物

参考文献 (21)*注記

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