江戸時代人2組の個体上顎第三大臼歯における歯冠および根管形態の対照

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  • Comparison in tooth crown and root canal of two sets of upper third molar in Edo-period (1603-1867)

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江戸時代人の男女2個体の完全なる上顎第三大臼歯の歯冠および歯根について, 個体の相互間で比較対照と検討をおこなった。智歯における歯冠と歯根との外形と, その両者の内景とは不離不即の関係にあって, それらの相互関係を歴史時代の一時期で推考することも有意義であると思う。<BR>調査資料のうちで, 歯冠が4咬頭を示しながら, 歯根の短縮や癒合現象をあらわそうとする傾向の強い女性個体歯例と, これとは正反対の現象, すなわち歯冠に比較的退化傾向を示しながら歯根は完全な4根を具えた男性個体歯例を観察したことは, 退化傾向ということが必ずしも同一個体の歯冠と歯根とに同時に現われるとは限らない好例であった。また歯根の水平断研磨標本によって, 根型の変異が歯根の頬側に癒合態度を強くあらわし, 舌側根は最後まで独立した態度を示していた。

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