中心結節の破折により歯内療法を施した小臼歯7歯の臨床的観察

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  • A Clinical Study on 7 Premolars treated with Endodontic Therapy due to Central Cusp Fracture

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新潟大学歯学部附属病院小児歯科外来において,昭和54年9月から平成6年6月までの14年9か月の間に経験した,中心結節の破折が原因で歯内療法を施した歯根未完成歯7歯の経過について,臨床的並びにX線的に観察を行った.<BR>1)全症例の観察期間は,最短8か月から最長7年5か月であった.<BR>2)初診時年齢は,9歳2か月から12歳7か月であった.<BR>3)歯種は下顎第二小臼歯が5歯,上顎第二小臼歯及び下顎第一小臼歯が各々1歯で,初診時の歯根形成状態は歯根長の2/3から3/4程度であった.<BR>4)処置内容は,カルビタール®による生活歯髄切断法1歯,ビタペックス®による根管充填を,抜髄及び感染根管治療後に行ったものがそれぞれ3歯である.<BR>5)X線写真より,生活歯髄切断例では約3週間で切断部位での庇蓋硬組織の形成が確認され,正常な歯根発育が見られた. 抜髄例では3歯中2歯に,硬組織による根尖閉鎖後の歯根の伸長が認められたが,感染根管治療例では歯根の伸長は認められず,硬組織による根尖閉鎖のみが確認された. また,根尖部硬組織の添加範囲には症例によって違いが見られた.<BR>6)中心結節の破折の早期発見と適切な処置により,根尖の閉鎖あるいは歯根形成を促すことができた.

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