肺原発NUT midline carcinomaの1例

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タイトル別名
  • A Case of NUT Midline Carcinoma of the Lung

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背景.NUT(nuclear protein of the testis)midline carcinoma(NMC)は,染色体15q14上にあるNUT遺伝子の再構成により定義される上皮性の悪性腫瘍である.近年,このような遺伝子再構成を有する腫瘍が報告されるようになり,そのほとんどが身体の正中線上にある器官に発生していることから総称してNUT midline carcinomaと呼ばれている.NMCは稀な腫瘍で,治療法が確立されておらず,予後不良な疾患であるとされている.症例.32歳男性.呼吸苦にて受診し,左肺巨大腫瘤および胸水貯留によりショック症状を来し入院となった.胸腔鏡下胸膜生検よりt(15;19)遺伝子転座,BRD4-NUT融合遺伝子を有するNMCの診断に至った.CarboplatinおよびPaclitaxelによる化学療法を施行するも,腫瘍は急速に増大し,約2ヶ月の経過で永眠された.結論.NMCの1例を経験した.未分化癌の像を呈し,免疫組織化学的特徴に乏しい場合にはNMCを考慮すべきである.

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 55 (7), 1080-1085, 2015

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (9)*注記

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