微小病変として発見された気管粘表皮癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Tracheal Mucoepidermoid Carcinoma Detected as a Minute Lesion

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抄録

背景.気管癌は稀な悪性腫瘍であり,通常は増大した腫瘍による呼吸器症状などをきっかけに発見される.小さい病変を無症状で発見することは困難である.症例.症例は79歳の男性である.呼吸器症状はなかった.食道癌(扁平上皮癌)の治療前に他癌の検索目的に気管支鏡検査を行ったところ,気管中部付近の膜様部に長径約5 mmの隆起性病変が認められた.生検にて粘表皮癌と診断された.胸部CTでは病変の指摘は困難であった.気管癌,食道癌ともに切除可能であったが,年齢及び手術侵襲などを考慮し,同一照射野にて60 Gyの放射線治療を行った.治療後,気管癌,食道癌ともに消失し,約3年経過時にはいずれの病変も再発は認められなかった.結論.食道癌治療前スクリーニングとして行った気管支鏡検査にて,無症状で微小病変として発見された気管癌(粘表皮癌)の1例を報告した.治療は放射線治療が有効であった.<br>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 48 (7), 832-835, 2008

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (16)*注記

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