関節液細胞診が術前診断に有用と考えられた膝関節滑膜軟骨腫症の 1 例

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  • A case of synovial chondromatosis of the knee joint
  • ―Feasibility of synovial fluid cytology for preoperative diagnosis―

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抄録

<p>背景 : 関節液細胞診が術前診断に有用と考えられた膝関節滑膜軟骨腫症の 1 例を経験した.</p><p>症例 : 34 歳, 女性. 1 年前に左膝を打撲後, 疼痛, 腫脹が改善せず当院を受診した. MRI 等の画像検査では関節液の増量を認めるのみで, 疾患の特定にはいたらなかった. 関節液細胞診では軟骨細胞の結節状集塊を認めた. 核は大小不同性を示し, 核密度は高く, 少数の 2 核細胞を混在していた. 細胞間には軟骨基質とみられるヘマトキシリン好染性の粘液様物質が介在していた. 関節鏡では滑膜組織塊を認め, 組織学的には既存の滑膜組織と軟骨組織により構成される遊離体であり, 軟骨細胞は細胞診同様に軽度の異型性を示した. 核や同心円状発育の像は観察されなかった. 骨化, 石灰化は明らかでなく, 原発性滑膜軟骨腫症と診断された.</p><p>結論 : 画像検査で原因が特定できない場合, 関節液細胞診は術前診断の一助となると考えられた.</p>

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