Leg-extension escape learning in the crayfish.

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  • ザリガニの第1歩脚伸展による逃避学習

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学習のメカニズムを解明するため, 神経科学の分野で多くの研究が行なわれてきた。それらの諸研究の中で近年, 比較的下等な動物の単一神経節細胞や数個の神経細胞を用いた実験が大きな成果を上げている (6, 10, 12, 13) 。被験体としては, アメフラシ, イカ, ウミウシ, ショウジョウバエ, バッタ, そしてザリガニなどが良く用いられている (3, 5, 12, 14, 15) 。学習の神経メカニズム研究を遂行するうえで, どの種の動物の, どのような学習のパラダイムを採択するかは, 非常に重要である。<BR>心理学においてザリガニを被験体として用いた研究では, 古くはYERKESら (21) やAGAR (1) のものがある。その後の実験例は, それほど多くない。しかもそれらの多くは, 系統発生段階と学習能力とを比較することに重点が置かれていた (4, 7) 。しかし, 久田 (8), 久田・山口 (9), 横井・斉藤 (22) が言うように, ザリガニは神経生理学的アプローチによる学習メカニズムの解明のために, 非常に好適な被験体である。<BR>本研究では, 学習に伴う神経系レベルでの変容メカニズムを調べるための前段階として, 次のような研究戦略を採択し, 実験を試みた。すなわち, 少数ニューロン系であり, 多くの神経細胞がすでに同定されているザリガニを被験体に選んだ。そして被験体を固定しても条件づけの手続きが遂行でき, かつ少数の筋肉の活動に依存する反応を強化する学習パラダイムを選んだ。これにより今後, その学習を可能にしている神経回路を追跡し, その結果をもとに神経系レベルでの学習メカニズムを解明する緒を得ることができる。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282679673026176
  • NII Article ID
    130003658203
  • DOI
    10.2502/janip1944.37.29
  • ISSN
    18836283
    00035130
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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