肺の末梢領域に発生した扁平上皮腺上皮性混合型乳頭腫 2 例の細胞像

  • 望野 唯明
    埼玉医科大学病院中央病理診断部 埼玉医科大学病理学教室
  • 清水 禎彦
    埼玉県立循環器呼吸器病センター病理診断科
  • 村田 晋一
    和歌山県立医科大学人体病理学教室
  • 安田 政実
    埼玉医科大学国際医療センター病理診断科
  • 茅野 秀一
    埼玉医科大学病院中央病理診断部 埼玉医科大学病理学教室
  • 佐々木 惇
    埼玉医科大学病院中央病理診断部 埼玉医科大学病理学教室
  • 清水 道生
    埼玉医科大学国際医療センター病理診断科

書誌事項

タイトル別名
  • Two cases of mixed squamous cell and glandular papilloma arising in the peripheral region of the lung

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抄録

背景 : 肺末梢領域に発生した極めてまれな mixed squamous cell and glandular papilloma (mixed papilloma) の 2 例を経験したので報告する.<br>症例 : 症例 1. 70 歳代女性で, 右肺 S5 領域に 23 mm 大の腫瘤を認めた. 症例 2 は 40 歳代女性で, 左肺 S10 領域に 30 mm 大の充実性腫瘤を認めた. いずれも, 葉切除術が施行された. 細胞診では症例 1, 2 ともに, 背景に多数の角化した異型扁平上皮細胞と化生性変化を示す腫瘍細胞の胞体に粘液物質, また, 腺系腫瘍細胞集塊には刷子縁, 線毛が認められ mixed papilloma の特徴的な細胞像と思われた.<br>免疫組織化学染色では, いずれの症例にも CEA, CAM5.2, CK7, MUC4, p63 が, 腺系と扁平上皮系の腫瘍細胞に陽性であった.<br>結論 : 本症例では, 低悪性度の粘表皮癌との鑑別が問題となったが細胞学的特徴をよく認識することで, mixed papilloma の診断は可能と思われた. また, 免疫組織化学染色の検討から本症例は腺上皮が腫瘍の本態で, 扁平上皮は化生に伴う変化である可能性が示唆された.

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