回避反応の消去に及ぼす精神神経安定剤の効果について

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  • カイヒ ハンノウ ノ ショウキョ ニ オヨボス セイシン シンケイ アンテイザイ ノ コウカ ニ ツイテ

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抄録

20匹のシロネズミを用い, 床をグリッドにしたT型迷路で回避学習訓練を1日20試行2日間行った。ついで実験群10匹には精神神経安定剤の一種であるdiphenyldiethylamino ethoxycarbomethanol (benactyzine) 0.4mg/kgを, 統制群には同量の生理的食塩水を腹注によって投与し, 30 分後同迷路において20試行の消去を行い, これを5日間くりかえした。その結果, 消去の終には実験群の走行時間は有意に長く, 消去基準に達する動物が多く, それに要する試行数も少なかった。しかし毎日の試行の前5分間回転籠において回転数を記録し活動性を測定したところ, その数も薬品投与によって有意に減少した。さらに, 活動性に関係の少ない固定反応の持続度においては両群の差は見られなかった。そこで結論としては, 消去の促進が果して動因としての恐怖が薬品によって除去されたためであるか, それとも単なる活動性の低下によるものであるかをきめることはできず, 別の実験を待たねばならない。

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