大豆の収量・品質向上に向けて

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  • ダイズ ノ シュウリョウ ・ ヒンシツ コウジョウ ニ ムケテ

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抄録

健全な出芽と適正な苗立ち数の確保は,作物生産を考える上で最も基本となる課題であるが,大豆においてはその重要性は特に高いと考えられる.大豆は一般的に施肥に対する反応性が稲や麦類をはじめとする他の主要作物に比べて小さく,施肥による生育,ひいては収量の制御が困難なことから,その生産性が出芽・苗立ちの成否に負うところが他の作物に比べて大きい.また,近年大豆作で問題となっている帰化アサガオ等の難防除雑草の拡大に対して様々な防除ツールが提案されているが,大豆作における雑草防除の基本は大豆植物体自体による畦間の被覆,すなわち被陰効果の活用にあることから,それら防除ツールの効果を最大限に発揮させるのにも出芽・苗立ちが十分に確保されていることが求められる.このように大豆の生産性は出芽・苗立ちの結果に大きく影響されることから,大豆の収量向上を図るためには,多収形質の解明とその付与といった育種学的なアプローチを別にすれば,栽培管理技術の面からは栽植様式や栽植密度,耕起・播種法の改良等,適正な苗立ちを確保するための方策が依然として有効であると言える.

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